NK●Toll様受容体(TLR):Toll-like receptor ●パターン認識受容体(PRR〔s〕):pattern recognition receptor〔s〕 ●ロイコトリエン(LT):leukotriene ●血小板活性化因子 (PAF):platelet-activating factor ●インターフェロン(IFN):interferon ●マクロファージ(Mφ):macrophage ●好中球:neutrophil ●補体(C):complement ●ナチュラルキラー細胞(NK細胞):natural killer cell ●樹状細胞:dendritic cellAn Illustrated Reference Guide●体組織内に異物(病原体など)が侵入すると,免疫細胞などのパターン認識受容体(Toll様受容体〔TLR〕など)〔p.363〕を介した感知などにより,炎症が惹起される.●細菌に対しては,主に食細胞(好中球,マクロファージ〔Mφ〕)による貪食・殺菌が行われる.この際,補体は炎症を促進し,食細胞の貪食を助けるように働く〔p.378〕.●ウイルスに対しては,主にNナチュラルキラーK細胞による感染細胞の破壊や,樹状細胞などが放出するインターフェロン(IFN)による抗ウイルス作用が働く.●気道の線毛運動・咳・くしゃみ,消化管の蠕動運動などの生理的作用も,異物排除に役立っている〔p.458〕.●粘液・分泌液による保護●酵素,胃酸など●抗菌ペプチドの●消化器・呼吸器・尿路系などを覆う粘膜は,物理的バリア機能が弱く,異物・病原体の侵入経路となりやすいため,粘膜表面では粘液や分泌液が異物・病原体を洗い流し,定着を防いでいる.●涙や唾液などの分泌液や血清中の酵素(リゾチーム,ラクトフェリンなど),胃液,消化酵素は殺菌作用をもつ.●粘膜や皮膚の上皮細胞からは,抗菌活性をもつディフェ●TLRなどによる感知●TLRなどによる感知●炎症性サイトカイン〔p.359〕産生●食細胞の走化,●オプソニン化による貪食作用の増強●免疫溶菌●細菌の貪食や●炎症組織への獲得免疫体組織内体表面走化因子 ローリング 〔p.364〕血管内皮細胞膜上のE-セレクチンが好中球表面の糖鎖を認識して結合し,好中球が血管内皮表面を転がるような動きをすること.ライソゾーム 〔p.364〕真核生物がもつ細胞内小器官で,生体膜に包まれた構造体で内部に加水分解酵素を有する,細胞内消化の場である.リソソームともいう.362血液・免疫〔p.364〕白血球を組織内の特定の方向へ導く化学物質.好中球の走化因子には,炎症巣の細胞(Mφなど)から放出されるサイトカイン(ケモカイン〔p.359〕),補体成分(C5aなど〔p.379〕),マスト細胞の産生するLTB4・PAF,細菌の膜成分や産生物質などがある. 即時的・直接的な防御反応 自然免疫のメカニズム●自然免疫とは,生体が生まれながらもっている免疫機構であり,微生物などの異物の侵入の際に即時的・直接的に起こる生体防御反応である.●体表面で異物の侵入を未然に防ぐ機構(バリア)と,侵入した異物を検知してすぐに排除しようとする機構(主に炎症反応〔p.365〕)の2段構えで防御が行われる. 自然免疫の第1段階 体表面の自然免疫(バリア)●外界と接する皮膚や粘膜(体表面)は,微生物などの異物 自然免疫の第2段階 体組織内の自然免疫の侵入を未然に防ぐ機構(バリア)として働いている.ンシンなどの抗菌ペプチドが分泌される.●全身の粘膜や皮膚に存在する常在細菌叢そう(常在微生物叢)にも,外来性の微生物の定着を妨げる働きがある.細菌体外体組織内炎症好中球遊走と貪食殺菌NK細胞●感染細胞をウイルス炎症感染細胞(上皮細胞など)非特異的に破壊IFN-α/β●抗ウイルス作用をもたらす監修森尾 友宏Mφなど補体Mφ炎症促進異物処理自然免疫皮 膚●最も強力な 物理的バリア粘 膜の殺菌作用分泌常在細菌叢●外来性微生物の定着抑制樹状細胞など正常細胞自然免疫
元のページ ../index.html#14