●〔❶❷❸〕予防的使用は,インフルエンザ感染者と同居する高齢者・慢性心疾患患者・糖尿病患者・腎機能障害患者・〔❷以外〕慢性呼吸器疾患(保険適用)や,高齢者療養施設・病院の職員(保険適用外)などで考慮する.□「小児・未成年者は,薬の使用の有無に関わらず患者を1人にしないよう配慮しましょう(NA阻害薬との因果関H3CH3CH3CH3CHHHHHHHHH333333CCC●ノイラミニダーゼ阻害薬(NA阻害薬)は,ウイルスの放出過程を阻害する薬である.●ウイルスの増殖過程の全体像はp.249を参照のこと.感染症と薬インフルエンザ放出●NA阻害薬はNAを阻害することにより,増殖したウイルス●新たな宿主細胞への感染を防止する.●ノイラミニダーゼ(NA)により,宿主細胞膜のシアル酸と増殖したウイルスの赤血球凝集素(HA)の結合が切断される.●放出されたウイルスは新たな宿主細胞に感染を拡大する.●NA阻害薬は,宿主細胞内でのウイルスの複製を阻害する作用や,すでに放出されたウイルスによる感染を防止する作用はない.インフルエンザウイルスの複製・増殖は,症状発現後48時間以内にピークに達することから,NA阻害薬は発症後48時間以内に投与を開始した方が効果が高いとされている.Pharmacology vol.3 : An Illustrated Reference GuideMinimum EssenceMinimum EssenceMinimum EssenceMinimum EssenceMinimum EssenceMinimum EssenceHANA❷❷❷ザナミビル ザナミビル ザナミビル ❸❸❸❹❹❹➡➡➡❶❶❶❷❸❷❸❷❸【補足事項】●●●●●●●●●●●●●●●商品名【ノイラミニダーゼ阻害薬】●オセルタミビルリン酸塩:タミフル(カ,DS) ●ザナミビル水和物:リレンザ(吸入) ●ラニナミビルオク ● ● ● ● ● ●NAを阻害NAを阻害NAを阻害48時間以内48時間以内48時間以内48時間以内48時間以内48時間以内タン酸エステル水和物:イナビル(吸入) ●ペラミビル水和物:ラピアクタ(注)指導pick up係は不明だが,異常行動の発現,転落事故の報告がある.)」□「〔❶❷〕この薬は5日間使用します.1〜2日程度で解熱することが多いですが,処方された薬は最後まで使い切ってください(通常,ウイルス消失まで5日程度かかり,途中で中止すると耐性ウイルスが発生する危険があるため)」□「〔❷❸吸入粉末〕湿気やすいので,吸入の直前にアルミ包装を開封してください」インフルエンザウイルスの放出感染拡大ウイルスRNAウイルス蛋白シアル酸+αもっとわかる261H3CH3CRRRROOOOHHOHOHCOOHCOOHNNHHHHHHOHOH ● ● ●CH3CH3OOOOOOOOOHHHHHOOCH3CH3NNNNNNNNHHHHHHHHHNH2NH2HHHHHHHHHNHNHNHNHNHNHNHNHNH222■H3PO4■H3PO4 ウイルスの放出を阻害 作用機序シアル酸(NAの生理的基質)類似構造ノイラミニダーゼ阻害薬(NA阻害薬)の作用感染拡大が宿主細胞から放出されることを阻害する.NA阻害薬オセルタミビルリン酸塩放放放出出出宿主細胞ノイラミニダーゼ阻害薬(NA阻害薬)
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