H2H+K+GGM3P-CABG細胞*現在は販売中止**ECL細胞はガストリンだけではなく,副交感神経の活性化による刺激でもヒスタミンを放出する(詳細な機序は不明).●制酸薬は消化性潰瘍に用いられることは少ないが,市販の胃腸薬や健胃薬に広く配合されている.●抗ガストリン薬や抗コリン薬よりもH2RAの方が胃酸分泌を有効的に抑制できることから, ヒスタミンが他の伝達物質(ガストリン,アセチルコリン)よりも優位に酸分泌に関わっていると考えられている.●初期治療でPPI(P-CAB)が使用できない場合●消化性潰瘍の初期治療と維持療法に主に用いられるのは,PPI,P-CABおよびH2RAである.●初期治療の第一選択●NSAIDsまたは低用量アスピリン投与時の消化性潰瘍再発抑制(オメプラゾール以外)●強力●維持療法の第一選択●PPIに劣る●単回投与で最大効果が得られる●受けにくい●肝代謝(CYP2C19の遺伝子多型の違いによる影響を受けにくく,個人差が出にくい)●最大効果を発現するまで約1週間反復投与する必要がある●数日間続く●原則,胃潰瘍は8週まで,十二指腸潰瘍は6週まで●受ける●肝代謝(CYP2C19の遺伝子多型の違いによる影響を受けやすく,個人差が出やすい)●PPIより短い●制限なし●PPIに優る●腎排泄*(腎機能低下時に減量が必要なものが*ラフチジンは肝代謝である. **ファモチジン,シメチジンなど●初期治療でこれらが使用できない場合は,ピレンゼピン,スクラルファート,ミソプロストールが使用される.それ以外の薬物はPPIやP-CAB,H2RAと同等の効果が期待できないため,推奨されていない.医学監修: 鈴木 英雄薬学監修: 加藤 伸一略語●プロトンポンプ阻害薬(PPI):proton pump inhibitor ●H2受容体拮抗薬(H2RA):histamine-2 receptor antagonist/blocker ●ガストリン(G):gastrin ●カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB):potassium-competitive acid blocker ●腸クロム親和性細胞様細胞(ECL細胞):enterochromaffin-like cell ●シトクロムP450(CYP):cytochrome P450 ●胃食道逆流症(GERD):gastroesophageal reflux disease ●アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST):aspartate aminotransferase➡38HCl cAMP⬆ Ca2+⬆PPIH2RA 主に用いられるのはPPIとH2RA 攻撃因子抑制薬の全体像●壁細胞の基底膜側に存在するヒスタミンH2受容体,ムスカリンM3受容体,ガストリンG受容体が刺激を受けると,細胞内のCa2+もしくはcAMPが増加し,管腔側にあるプロトンポンプが活性化する.これによりプロトンポンプからH+が放出され,クロライドチャネルから放出されたCl−と合わさって胃酸(HClなど)分泌が生じる.●攻撃因子抑制薬には,プロトンポンプの機能を抑制する酸分泌抑制薬と,HClを中和する制酸薬がある. 初期治療の第一選択はPPI,P-CAB PPI・P-CAB・H2RAの比較プロトンポンプ阻害薬(PPI)カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)抗ガストリン薬プログルミド*ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)Cl−制酸薬クロライドチャネル抗コリン薬アセチルコリン副交感神経局所麻酔薬オキセサゼイン〔薬①p.81〕ある**)胃底腺壁細胞基底膜主な使用目的酸抑制作用最大効果を得られるまでの時間作用持続時間投与制限食事による影響代謝・排泄壁細胞プロトンポンプガストリン腸クロム親和性細胞様細胞(ECL細胞)**攻撃因子抑制薬
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