●急性副鼻腔炎:acute sinusitis ●感冒:common cold ●上気道炎:upper respiratory infl ammation ●鼻炎:rhinitis ●肺炎球菌:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●インフルエンザ菌:Haemophilus infl uenzae ●鼻閉:nasal obstruction ●鼻漏:rhinorrhea/nasal discharge ●後鼻漏:postnasal drip/posterior nasal drip ●膿性鼻漏:purulent nasal discharge ●コンピュータ断層撮影(CT):computed tomography ●磁気共鳴画像〔法〕(MRI):magnetic resonance imagingAn Illustrated Reference Guide●原因としてかぜ症候群以外にも全身性の感染症,扁桃炎などからの波及,顔面骨の外傷や手術後に生じることがある.また,歯性上顎洞炎〔p.190〕,航空性副鼻腔炎(急激な気圧変化による)などとの鑑別が必要である.●必要に応じて鼻漏や上顎洞貯留液の細菌検査を行い,抗菌薬選択の参考にする.●ステロイド点鼻(噴霧)の有効性も報告されている.●鼻漏の流出部位〔p.168〕を確認し,後鼻漏〔p.136〕の有無も確認する.●鼻漏(分泌物)の流出部位は,●急性副鼻腔炎では鼻茸〔p.189〕は172acute sinusitis下鼻甲介中鼻道中鼻甲介鼻中隔膿性鼻漏が上鼻道から流出鼻粘膜の発赤・腫脹監修太田 伸男レスピラトリーキノロン系 〔p.174〕ニューキノロン系抗菌薬のうち,市中肺炎の代表的な原因である肺炎球菌に対する抗菌活性を強化したもの.J01.9➡急性副鼻腔炎を考える.●X線検査は診断に必須ではない.必要に応じてCTやMRIを行う.治療重症度に応じた治療を行う.⒈軽症例では,抗菌薬を投与せず経過観察⒉中等症,重症では,抗菌薬の投与(ペニシリン系〔アモキシシリンが第一選択〕,急性に発症する副鼻腔の感染症で,発症から1ヵ月(4週間)以内の副鼻腔炎.かぜ症候群〔p.150〕による上気道炎(鼻炎を含む)が副鼻腔に波及して生じることが多く,ウイルス感染から細菌感染に移行(二次感染)した場合,遷延化・重症化しうる.主な原因菌は,肺炎球菌,インフルエンザ菌の2つであり,モラクセラ・カタラーリスがこれらに次ぐ.内視鏡像右鼻腔〈上気道炎などから続発〉〈ウイルス感染から細菌感染に移行〉 鼻粘膜の発赤・腫脹,膿性鼻漏 鼻腔所見●鼻鏡または内視鏡検査では鼻腔所見(鼻内所見)として,鼻粘膜の発赤・腫脹や膿性または粘性鼻漏の流出がみられる.罹患洞により異なる.通常みられない.intro.MINIMUM ESSENCE❶発熱や全身倦怠感,呼吸器症状(咳嗽など)の出現後. ❷鼻閉,鼻漏,後鼻漏などの鼻症状が1週間以上持続, 増悪する.❸頭痛,顔面痛(頬部痛,前頭部痛),顔面圧迫感なども伴う.❹鼻腔所見で鼻粘膜の発赤・腫脹,膿性鼻漏の流出をみる.セフェム系などから選択)⒊頭蓋や眼窩内内合併症を伴う場合は,抗菌薬静注を開始し,手術療法を考慮.※鼻処置や副鼻腔洗浄,ネブライザー療法など局所療法も適宜行う.急性副鼻腔炎
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