001202400122024鼻・副鼻腔疾患副鼻腔炎●肺炎球菌●インフルエンザ菌●モラクセラ・カタ*ライノウイルス,パラインフルエンザウイルスなど●かぜ症候群や上気道炎に伴って生じるウイルス性副鼻腔炎は安静・保温などの保存療法によって1週間以内に治癒する.1(時々鼻をかむ)●臨床症状と鼻腔所見から小児または成人の重症度を評価し,重症度に応じて1(時々鼻をかむ)*湿性咳嗽は後鼻漏によるもの.小児では頭痛や顔面痛を明確には訴えられないため,不機嫌または湿性咳嗽を評価する.●発熱(38.5℃以上)の持続,顔面(眼周囲)の発赤・腫脹など頭蓋内合併症や眼窩内合併症〔p.168〕を疑う所見がみられる臨床症状鼻腔所見2(睡眠が妨げられる)臨床症状鼻腔所見●航空性副鼻腔炎/気圧性副鼻腔炎:barosinusitis ●上顎洞炎:maxillary sinusitis ●上顎洞:maxillary sinus ●湿性咳嗽:productive cough ●細菌性副鼻腔炎:sinusitis●急性副鼻腔炎はかぜ症候群による上気道炎などが副鼻腔に波及して生じることが●両側性に生じることが多いが,片側性のこともある.173An Illustrated Reference Guide細菌感染に移行(二次感染)貯留液が膿性に変化頬部痛鼻症状が1週間以上持続・増悪後鼻漏**成人のスコアリング●❶鼻漏●❷顔面痛・前頭部痛●❸鼻汁・後鼻漏(漿液性)中等症4〜6重症7〜8膿性鼻漏主な原因菌ラーリス頭痛鼻閉鼻漏(膿性)なし軽度/少量中等以上(頻繁に鼻をかむ)(がまんできる)(鎮痛剤が必要)(粘膿性少量)(中等量以上)**湿性咳嗽としてみられることも多い(特に小児).●1週間以上経っても鼻症状(鼻閉,鼻漏,後鼻漏など)が改善せず,膿性鼻漏が続く場合は,細菌性副鼻腔炎に移行した可能性が高く,早期に抗菌薬投与が必要となる.●頭痛や顔面痛(頬部痛など),顔面圧迫感などを伴うこともある.急性副鼻腔炎の発症・経過上顎洞炎の模式図(冠状断)分泌物の貯留症状上気道炎(鼻炎,咽頭炎)なし●❶鼻漏●❷不機嫌・湿性咳嗽*(漿液性)●❸鼻汁・後鼻漏❶〜❸のスコアの総計により重症度を評価場合は,CTやMRIを行う必要がある.日本鼻科学会 編:急性副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版(追補版).日鼻誌 2014;53(2):79−80より改変 上気道炎に続発 発症・経過 適切な治療のため重症度を評価 重症度分類小児のスコアリング多く,先行するウイルス感染が細菌感染に移行して顕在化する場合が多い.ウイルス感染の先行*上顎洞鼻腔発熱ゴホゴホ咳全身倦怠感適切な抗菌薬治療を行う.軽度/少量中等以上(頻繁に鼻をかむ)(咳がある)(粘膿性少量)(中等量以上)重症度軽症1〜3スコア(点)
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