●脳動静脈奇形(AVM):cerebral arteriovenous malformation ●A-Vシャント:A-V shunt ●頭痛:headache ●意識障害:consciousness disturbance ●片麻痺:hemiplegia ●脳内出血:intracerebral hemorrhage ●けいれん:convulsion ●脳虚血:cerebral ischemia ●盗血現象:steal phenomenon ●流入動脈:feeding artery/feeder ●流出静脈:draining vein/drainer ●デジタルサブトラクション血管造影(DSA):digital subtraction angiographyAn Illustrated Reference Guide血液の流入(盗血現象)●異常血管は血管抵抗が小さいため多くの血液が流入し(盗血現象),流出静脈は破綻しやすい.また,物質交換ができないため周囲の脳組織は虚血となる.●盗血現象により正常血管に流入する血液が減少するため,その周囲も虚血となる.MRI T2強調像●中大脳動脈と後大脳動脈を流入動脈とするnidusがみられる(▶).●右後頭葉に蜂巣状のnidusがみられる(▶).nidus内を流れる血流は速いので無信号のflow void〔p.628W〕として描出されている.周囲には拡張した流入動脈も認められる(▶).628〔p.628〕MRIでは静止した組織における水素原子の動きをみているが,血流の速い血管ではこの動きをとらえられないために,無信号になってしまう.AVMでのnidusの他,大動脈や大静脈でもみられる.〔p.628〕血管造影において,造影剤注入後の画像データ(骨+血管)から造影剤注入前の画像データ(骨)をコンピュータ処理により消去し,血管のみを描出する方法.Q27.9Q28.2脳の動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接吻合し(A-Vシャント),拡張・蛇行した異常な血管の塊(nナイダスidus)を形成する先天性の脳血管異常.出血症状,虚血症状のいずれも生じうるが,小児では成人より出血の割合が高く,学童期以降の脳内出血の原因として重要である.動脈10mL以下のもの,外科的摘出が困難な症例)〈脳内出血〉intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:小児〜若年成人❷突然の頭痛,嘔吐,意識障害,片麻痺, けいれん発作などがみられる.❸頭部CTで血腫や石灰化,MRIで多数の無信号域(fl ow void),MRI,MRA,脳血管造影で拡張・蛇行した異常な血管の塊(nidus)がみられる.➡脳動静脈奇形(AVM)と診断する.治療⒈出血例・症状進行例:以下を単独または組み合わせ,nidusの完全摘出を目指す.a.外科的治療:開頭によるnidusの全摘出b.血管内治療:カテーテルによる流入動脈・nidus塞栓術c.定位放射線治療:ガンマナイフなど(3cm以下のもの,3cm超でも体積が ⒉非出血例・手術不能例:内科的治療(けいれんに対する抗てんかん薬など)nidusDSA(側面像)fl ow void デジタルサブトラクション血管造影(DSA) AVM:arteriovenous malformation 脳内出血で発症することが多い 病態と症状・所見●AVMでは異常血管によって動脈と静脈が直接つながり(A-Vシャント),拡張・蛇行した異常な血管の塊(nidus)を形成する.流出静脈(破綻しやすい)出血流入動脈動脈瘤の合併静脈毛細血管虚血監修五味 玲脳動静脈奇形(AVM)
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