❹心電図で,左室高電位,異常Q波,ST低下,陰性T波を認める.❺胸部X線像で,正常または軽度心拡大,上肺野血管陰影増強がみられる.●肥大型心筋症(HCM):hypertrophiccardiomyopathy ●非対称性中隔肥大(ASH):asymmetricseptalhypertrophy ●左室拡張末期圧(LVEDP):leftventricularend-diastolicpressure ●植込み型除細動器(ICD):implantablecardioverterdefibrillator ●アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/アンジオテンシンⅡ受容体遮断薬(ARB):angiotensinⅡreceptorblocker ●大動脈弁狭窄〔症〕(AS):aorticstenosis ●肥大型心筋症は,心筋の不均一な肥大が特徴的であり,心腔の拡大●特に心室中隔が左室後壁に比べて著明に肥厚することが多く(非対称心室中隔●心筋の不均一な肥大がみられる(正常の厚さは左室壁,心室中隔ともに7〜11mm)〔p.82〕.〔p.248〕左室後壁に比し,心室中隔が著明に肥厚している状態で,心エコー図上の定義は,心室中隔壁厚/左室後壁厚の比が1.3以上.肥大型心筋症(HCM)に典型的であるが,高血圧性心肥大や大動脈弁狭窄症(AS)〔p.224〕などでもみられることがある.〔p.248〕T波が陰性波(基線に対して下向き)としてみられること.通常,T波は,aVRで陰性,Ⅰ,Ⅱ,V2〜V6で陽性である(Ⅲ,aVL ,aVF,V1は陰性でもよい).異常としての陰性T波は心筋虚血でみられる(冠性T波〔p.153〕)他,心室肥大やQT延長症候群,薬物の影響,低カリウム血症などでみられる.〔p.249〕不規則に融合と分岐を繰り返すなど,無秩序な心筋線維の配列のこと.HCMに特徴的.Ⅰ42.1Ⅰ42.2➡肥大型心筋症(HCM)を考える.●確定診断のために次の検査を行う.治療突然死の予防と心不全や不整脈などの症状に対する治療が重要.⒈日常生活の管理として,激しい運動の禁止,禁酒,禁煙.⒉突然死の危険因子がある場合に,植込み型除細動器(ICD)を考慮.⒊心不全に対して,β遮断薬,Ca拮抗薬,利尿薬,ACE阻害薬,ARB など.⒋不整脈に対して,抗不整脈薬,抗凝固薬(ワルファリン)など.以上)の非均等型の左室壁肥厚,左室拡張機能障害,②心カテーテル検査で,左室拡張末期圧(LVEDP)↑,Ⅳ音,Ⅲ音を聴取.心筋の変性疾患で,左室または右室心筋の不均一な心肥大により左室拡張能の低下,不整脈をきたし,しばしば非対称性中隔肥大(ASH)がみられる.突然死の危険性が高い.HCMの約半数は家族内発生し,常染色体優性遺伝形式をとる.心筋サルコメア関連蛋白遺伝子の変異によるものと考えられている.を伴わない.性中隔肥大〔ASH〕),心エコーで診断する際の重要な所見となる.HCM:hypertrophic cardiomyopathy〈頻脈,肺うっ血による胸部症状〉〈不整脈や左室流出路閉塞による脳症状〉〈左室機能低下の場合〉〈心室拡張不全〉 不均一な肥大が特徴的形態的特徴248intro.MINIMUM ESSENCE❶胸痛,呼吸困難,動悸.めまい,失神.❷触診で,心尖拍動の増大.❸聴診で,第4肋間胸骨左縁または心尖部を中心に①心エコーやMRI検査で,15mm以上(HCMの家族歴がある場合は13mm10mm非対称性中隔肥大(ASH) 陰性T波 錯綜配列 大動脈心室中隔/左室後壁≧1.3左房左室左室右室監 修永井 利幸写真提供:池田 善彦肥大型心筋症(HCM)
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