●陰性T波:negative T〔wave〕 ●活動電位持続時間(APD):action potential duration ●心室中隔(IVS):interventricular septum●心室壁には心内膜と心外膜があり,心内膜➡心外膜の順に収縮し,心外膜➡心内膜の順に拡張する〔p.60〕.●時系列では①心内膜側の脱分極➡②心外膜側の脱分極➡③心外膜側の再分極➡④心内膜側の再分極の順となる.●心内膜側から脱分極し心外膜側から再分極するため,心内膜➡心外膜の向きの電気が流れる.この電気が電極へ向か●正常ではQRS波とT波は原則として同じ向きのため,異なる向きの場合は異常所見である(陰性T波〔p.70〕など).●心内膜側は脱分極から再分極までの時間が長いため,心外膜側に比べて活動電位持続時間(APD)〔p.167〕が長い.●V1,V6誘導の正常波形の成り立ちは次のようである.検査心電図の基本V1遠ざかるV1どちらでもないV1近づく63An Illustrated Reference Guide QRS波とT波の向きは同じ QRS・T波の成り立ち●心房筋の興奮が終了後,心室筋全体に興奮が広がるのを表しているのがQRS波である.また,心室筋の興奮が終了後の再分極を表しているのがT波である.う方向であればQRS波とT波は上向きの波形となる.活動電位心内膜心外膜心室脱分極(収縮)心内膜側が先に脱分極心内膜側の方が心外膜側より電気的に+電気は+から−へ流れる心内膜➡心外膜の向きの電気が流れる左室イメージ(水平断)右室心室中隔を左➡右に広がるため,右向きとなる.電気軸V6V6V6心内膜側の電位心外膜側の電位心内膜➡心外膜向きの電気心電図心内膜➡心外膜向きの電気が電極へ近づく方向に流れれば上向きに記録される遠ざかる(中隔性q波)心室中隔を下方に広がるため,右向きでも左向きでもない.QRS波T波どちらでもない左室の方が,心筋が著明に多いため,右室の興奮は反映されず左向きとなる.再分極(弛緩)心外膜側が先に再分極心内膜側の方が心外膜側より電気的に+電気は+から−へ流れる心内膜➡心外膜の向きの電気が流れる「心内膜側の電位−心外膜側の電位=心電図」ということは覚えておきましょう.近づくSupplement正常胸部誘導
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