病7-2_WEB立ち読み
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●膠芽腫:glioblastoma ●星細胞腫:astrocytoma ●神経膠腫:glioma ●退形成性星細胞腫:anaplastic astrocytoma ●てんかん発作:epileptic seizure ●人格変化:personality change ●大脳半球:cerebral hemisphere ●前頭葉:frontal lobe ●脳梁:corpus callosum●膠芽腫は,■■■遺伝子変異の有無により,■■■野生型(90%以上)と■■■変異型(10%未満)に分類される.■■■野生型は高齢者に多く,初めから膠芽腫として発生する(一次性).一方,■■■変異型は一般的に若年成人に多く,びまん性星細胞腫や退形成性星細胞腫からの悪性化によって発生する(二次性).●造影MRI T1強調では腫瘍の境界が描出されるが,細胞レベルではより広範囲に浸●治療を行っても平均生存期間●短い期間で頭蓋内圧亢進症状が進行する.脳梁を介して対側の大脳半球まで浸潤することも多い(butterfly pattern).●初発症状としては頭痛が最も多く,頭蓋内圧亢進による症状が麻痺などの脳局所症状よりも多い.intro.MINIMUM ESSENCE❶好発:45〜70歳代❷急速に進行する頭痛,嘔吐, 人格変化,てんかん発作,麻痺,失語などがみられる. T2強調像で不均一で広範な高〜混合信号,造影MRI T1強調像でリング状増強効果を示す腫瘤がみられる. 〈ring enhancement〉➡膠芽腫を考える.●病理診断では,微小血管増生,壊死,偽柵状配列がみられる.●さらに遺伝子診断(■■■遺伝子変異の有無)で細分類される.治療手術で可能な限り摘出し,術後に放射線療法,薬物療法を併用する.※通常2年以内に死亡する.退形成性星細胞腫 An Illustrated Reference Guideglioblastoma506〔p.506〕病理組織学的にびまん性星細胞腫と膠芽腫との中間に位置する星状膠細胞系腫瘍.退形成性星細胞腫から膠芽腫への悪性転化がしばしばみられ,びまん性星細胞腫から退形成性星細胞腫への悪性転化もみられることがある.❸大脳半球に,MRI T1強調像で境界不明瞭な等〜低信号,星細胞腫のうち,最も低分化で異型度の高いもの(gradeⅣ)である.原発性脳腫瘍の約10%,神経膠腫の約40%(高齢者では約70%)を占める.大脳半球(前頭葉,次いで側頭葉)に好発する.急速・浸潤性に進行し,予後は極めて悪い.潤している.脳室周辺への浸潤により,髄液を介した播種がみられることもある.頭蓋内圧亢進症状の悪化・人格変化などの出現数週〜数ヵ月〈頭蓋内圧亢進症状〉〈脳局所症状〉は1〜2年程度である. 急速に症状が進行 膠芽腫の進行●膠芽腫では腫瘍周辺に浮腫を伴いながら浸潤性に急速に増大するため,数週間〜数ヵ月の短い経過で 頭蓋内圧亢進症状が進行する.●いずれの部位にも発生するが,最も容積の大きい好発部位は大脳半球(特に前頭葉)である.発症頭蓋内圧亢進症状(特に頭痛)浮腫腫瘍進行治療死亡膠芽腫(グリオブラストーマ)
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