●透析液ではあらかじめ各物質の濃度が調製されており,拡散〔p.73〕による物質の移動が生じる.●腹膜は細孔のサイズが大きいため,●小分子量物質(K+,Pi,Mg2+,Ca2+,●腹膜透析(PD)は,腹腔内に透析液を注入し,腹膜を半透膜として透析を行う方法である.●腹腔内カテーテル留置術を施行し,そこから透析液の注液・排液を行う.●腹膜透析は,血液透析に比べて1回の透析効率は劣る.●蛋白質(主にアルブミン)が漏出してしまい,低蛋白血症となることもある.●血液と透析液が平衡に達すると拡散●透析液はグルコースの濃度が高いため,透析液の浸透圧による限外濾過〔p.230〕が生じ,水が移動する.●グルコースは拡散により血液側に移動して浸透圧が小さくなるため,時間がたつにつれて除水効率が下がり,透析液の交換が必要となる.●血液中と透析液中とで濃度が等しい●中〜大分子量物質 (アルブミン,β2−ミク大ログロブリンなど)●腹膜の細孔を通過できない大分子●腹膜透析には,持続携行式腹膜透析(CAPD)と自動腹膜透析(APD)●大分子量物質 (多くの蛋白質)●腹腔内の空間を利用する方法であることから,腹膜の癒着が強い(透析液を入れるスペースがない)患者や重度の肺気血液浄化療法日透析土透析木透析水透析火透析月透析月1〜2回通院●腹膜透析(PD):peritoneal dialysis ●カリウム(K):potassium ●無機リン(Pi):inorganic phosphorus ●マグネシウム(Mg):−):bicarbonate ion ●持続携行式腹膜透析/連magnesium ●カルシウム(Ca):calcium ●重炭酸イオン/炭酸水素イオン(HCO3続携行式腹膜透析(CAPD):continuous ambulatory peritoneal dialysis ●自動腹膜透析(APD): automated peritoneal dialysis ●持続周期的腹膜透析/連続周期的腹膜透析(CCPD):continuous cycling peritoneal dialysis●CAPDは,24時間持続的に腹膜透析を行う方法であり,1日2~4回透析液の交換を患者自身もしくは介助者が行うもので(1回の交換は20~30分),透析液交換時以外は自由に行動ができる(注液してから排液するまでの間は常に透析が行われている状態).●APDは,自動腹膜透析装置(サイクラー)を用いて夜間就寝時に腹膜透●腹膜透析は通院の負担が少なく(検査のために月1~2回),社会や学業胃中小小小金肝臓膀胱血液物質の移動尿素,尿酸)水の移動(除水)移動しない物質がある.析を行う方法である.への参加がしやすい.夜間のAPDだけでは透析が不十分な場合には,日中の透析液交換を併用することがあります.これを持続周期的腹膜透析(CCPD)といいます.サイクラーの取り外し腹膜透析液−●HCO3●グルコース小〜中分子量物質が通過できる.は起こらなくなる.物質は移動しない.量物質や血球は移動しない.通院+透析医師蛋白質233 腹膜を介して体内で透析 原理 連日透析を行う 腹膜透析患者の生活持続携行式腹膜透析(CAPD)患者の1日■:透析液交換腹側腹膜背側注液カテーテル透析液排液腫などで呼吸状態が悪い(腹腔内の透析液で肺が圧迫される)患者では実施困難である.家庭睡眠職場職場自動腹膜透析(APD)患者の1日サイクラーサイクラーへの接続家庭睡眠職場腹膜透析(PD)
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