上部尿路結石(約92%)●腎盂・腎杯内で増大するとサンゴ状結石(鋳型結石)が形成される.●存在部位により,腎結石,尿管結石,膀胱結石,尿道結石に分類される.●尿管の生理的狭窄部位に嵌かんとん頓しやすい.生理的狭窄部位下部尿路結石(約8%)●各部位の尿路結石には,次のような特徴がある.●治療は各種結石破砕術によって行われる.かつては開放手術も●血尿●排尿障害 (ときに尿閉)●疼痛 ●尿線途絶●血尿●排尿時痛●排尿障害 (ときに尿閉)●血尿●腰背〜側腹〜下腹部●少ない (鈍痛,血尿など)せんつう●ときに嵌頓し,疝痛〔p.247W〕発作など●ESWL●経尿道的腎尿管砕石術(TUL)〔p.244W〕●膀胱砕石術**膀胱に戻して砕石を行う.●〔内視鏡的・経尿道●体外衝撃波砕石術(ESWL)〔p.244W〕●経皮的腎尿管砕石術(P〔C〕NL)〔p.244W〕●軟性鏡による経尿道Cクッシングushing症候群 〔p.245〕副腎皮質からグルココルチコイドが過剰に分泌されることによって起こる症候群.グルココルチコイド作用により,骨基質の形成不全,骨吸収が起こり,尿中のカルシウム排泄増加によりカルシウム含有結石が生じやすくなる.●尿路結石〔症〕:urolithiasis ●尿路結石:urinary calculus/urinary stone ●腎結石:calculus of kidney/kidney calculus/kidney stone/nephrolith/renal calculus/renal stone ●尿管結石:ureter stone/ureteral calculus/ureteral stone ●膀胱結石:bladder calculus/bladder stone/cystolith/vesical calculus/vesical stone ●尿道結石:urethral calculus/urethral stone ●体外衝撃波砕石術(ESWL):extracorporeal shock wave lithotripsy●尿中成分が過飽和になり,結晶核の形成・成長・凝集を生じ,尿路内(腎●男性では40~50歳代,女性では50~60歳代(閉経後)に好発し,男性に 2.2:1約92%60〜80歳4.6:1約8%監修岡田 淳志244尿路結石体外衝撃波砕石術(〔E〕SWL) 〔p.244〕体外で発生させた衝撃波を集束・照射し,人体内の結石を破砕する治療法.麻酔なしで行うことができ,侵襲性の低い治療法である.合併症として,皮下血腫や血尿,腎周囲の血腫を生じることがあるため,出血傾向がある患者・妊婦に対しては禁忌である.経皮的腎尿管砕石術(P〔C〕NL) 〔p.244〕腰背部の皮膚から腎杯までの経路(トラクト)を作成し,腎臓・尿管内に内視鏡を挿入し,レーザーや空気衝撃波で結石を破砕し,回収する治療法.経尿道的腎尿管砕石術(TUL/URS) シスチン尿症 〔p.245〕尿細管の再吸収障害により,アミノ酸の一種であるシスチンが尿中に排出される常染色体潜性(劣性)遺伝性疾患.〔p.244〕尿道から尿管・腎臓へ内視鏡を挿入し,レーザーや空気衝撃波で結石を破砕し,回収する治療法.近年では軟性鏡によるもの(f-TUL)が多く行われている. 尿中成分が石になる 尿路結石 部位別にみる 尿路結石の特徴臓,尿管,膀胱,尿道)で形成された石様の構造物を尿路結石という.多い.生涯罹患率は男性では15%になる.総腸骨動脈上部尿路結石〔p.247〕の疝痛発作●悪心・嘔吐●結石の排出原発腎臓的腎尿管砕石術(f-TUL)尿路結石の発生部位腎盂尿管移行部総腸骨動脈交叉部尿管膀胱移行部好発年齢男:女頻度症状結石の積極的治療肉眼像尿管鏡像●表面が金平糖状の結石はシュウ酸カルシウムであることが多い.膀胱鏡像●膀胱内で成長した結石は表面がなめらかで大型である.行われたが現在はほぼ行われなくなっている.尿管結石腎結石40〜60歳(女性では閉経後)膀胱結石原発or上流からの結石腎結石の嵌頓尿管的〕膀胱砕石術腎結石尿管結石膀胱結石尿道結石下部尿路結石尿道結石上流からの結石の嵌頓膀胱尿道尿道尿路結石総論
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