●RANKL:receptor activator of NF-κB ligand ●CAB:combined androgen blockade ●精巣腫瘍:testicular tumor/testicular neoplasm/testis neoplasm ●胚細胞腫瘍:germ cell tumor ●αフェトプロテイン(AFP):alpha-fetoprotein ●ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン/ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):human chorionic gonadotropin ●乳酸脱水素酵素(LD):lactate dehydrogenase/lactic acid dehydrogenase ●高位精巣摘除術:high orchidectomy●比較的まれな腫瘍である(10万人当たり1~2人).●胚細胞腫瘍以外の精巣腫瘍には,悪性リンパ腫〔病⑤p.193〕などがある.50歳以上の●症状は,無痛性陰囊腫大を呈することが多い.●非セミノーマである胎児性癌や絨毛性腫瘍は転移が早いため,転移巣●hCGを産生する腫瘍では,女性化乳房・乳汁分泌がみられることがある.●危険因子として停留精巣〔p.333〕,精巣腫瘍の家族歴,対側の精巣腫瘍の既往歴,人●20~40歳代男性に好発するが,小児期にも好発の小さなピークがある.ゴホゴホαフェトプロテイン(AFP) ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG) 乳酸脱水素酵素(LD〔H〕) testicular tumor肺転移 がいそう咳嗽呼吸困難後腹膜リンパ節転移腰痛腹部腫瘤監修伊藤 一人292〔p.292〕胎生期の卵黄囊,肝臓,消化管などで産生され,生後消失する蛋白質.原発性肝細胞癌,および卵黄囊腫瘍などの腫瘍マーカーとして用いられている.正常では血清AFPは10ng/mL以下である.〔p.292〕ヒトが妊娠した場合に,胎盤の絨毛組織から産生されるホルモン.LH作用を介して妊娠黄体を刺激する作用をもつ.絨毛癌などの絨毛性疾患において診断,治療効果の判定などに有用である.〔p.292〕体内に広く分布し,ピルビン酸から乳酸を生成する反応を触媒する酵素.様々な病態により細胞破壊が起こると血中に逸脱してくる.5種のアイソザイムが存在し,分画を測定することで由来臓器が推測できる.C62➡■■■■を考える.●精巣腫瘍が疑われたら,高位精巣摘除術を行う(経皮的生検は禁忌).●高位精巣摘除術は転移があっても行い,摘出精巣の病理組織学的診断を行う.●CTなどで転移(特に後腹膜リンパ節転移と肺転移)の有無を検索し■■●高位精巣摘除術後,病理組織学的分類や病期分類に従って治療を行う.精巣に生じる腫瘍で,胚細胞腫瘍が大半を占める.若年男性に好発する.胚細胞腫瘍が疑われる場合には,生検は行わず高位精巣摘除術で精巣を摘出し病理組織学的な診断をつける.化学療法が著効するため,転移があっても約80%で治癒が望める.本書ではことわりがない場合,精巣腫瘍は胚細胞腫瘍を指す.精巣腫瘍では悪性リンパ腫が最も多く,次いで胚細胞腫瘍が多い.種(欧米人に多い)などがある.の症状が主訴になることがある.初発症状無痛性陰囊腫大〈陰囊水腫との鑑別〉 無痛性陰囊腫大で気づく 臨床像転移に伴う症状intro.MINIMUM ESSENCE❶若年男性に好発する.❷無痛性陰囊腫大(徐々に増大,透光性なし)がみられる. ❸血液検査で,AFP,hCG,LDなどの腫瘍マーカーの上昇がみられる.❹超音波検査で,陰囊内に低エコーの腫瘤を認める.病期を決定する.精巣腫瘍
元のページ ../index.html#22