●精巣や副腎皮質,甲状腺,下垂体などの機能異常によって生じる.●陰茎の解剖学的な異常によって生じる.●勃起に関わる脳,脊髄,末梢神経に障害があることで生じる.●血液が陰茎へ流入しない,または陰茎から流出してしまうことで生じる.●血管性EDの原因疾患にLeriche症候群,陰茎性EDの原因●性行為に対する不安やパートナーとのトラブル,疲れといったものから,母親との関係,宗教的教義信奉,性行為に対する高度の嫌悪など,様々な原因がある.●診断では,男性用健康調査票(SHIM)や国際勃起機能スコア(IIEF)による重症度評価を行い,必●加齢●糖尿病●肥満・運動不足●心血管疾患・高血圧●喫煙●テストステロンの低下●慢性腎臓病・下部尿路障害●神経疾患●手術・外傷●心理的要素・精神疾患●薬物(降圧薬,H2受容体拮抗薬,向精神薬,内分泌薬など)●睡眠時無呼吸症候群(SAS)などLレリッシュeriche症候群 〔p.350〕大動脈から総腸骨動脈への分岐部に血栓性動脈閉塞をきたす疾患群.陰茎への血流が減少し,血管性EDを呈する.Pペロニーeyronie病 〔p.350〕陰茎海綿体白膜などの線維化により,陰茎に硬結を生じる疾患.硬結により勃起時に陰茎が屈曲するようになる.●勃起障害(ED):erectile dysfunction ●勃起:erection ●心因性勃起障害:psychogenic erectile dysfunction ●器質性勃起障害:organic erectile dysfunction ●混合性勃起障害:mixed erectile dysfunction ●男性用性健康調査票(SHIM):Sexual Health Inventory for Men ●国際勃起機能スコア(IIEF):international index of erectile function ●夜間勃起〔現象〕(NPT):nocturnal penile tumescence ●ホスホジエステラーゼ5(PDE5):phosphodiesterase 5 ●睡眠時無呼吸症候群(SAS):sleep apnea syndrome●器質性EDはさらに神経性,血管性,陰茎性,内分泌性に分けられる.●ほとんどは混合性EDであり,主因が心因性のものと器質性のものとに分類して,治療方針が検討さペロニーレリッシュ監修湯村 寧350男性用性健康調査票(SHIM) 〔p.350〕EDの診断と重症度評価を行うための問診票の一つ.スクリーニングに用いられることが多い.国際勃起機能スコア(IIEF) 〔p.350〕EDの診断と重症度評価を行うための問診票で,簡略版であるIIEF5がよく用いられる.21点以下でEDと診断される.夜間勃起現象(NPT)評価 〔p.350〕成人男性では生理的にRレムEM睡眠時に勃起が認められ,これはストレスによる影響を受けない.そのため,夜間に勃起が認められるかを調べ,認められれば心因性EDが疑われる.プロステーシス挿入手術 〔p.351〕プロステーシスという硬い芯を陰茎に埋めこみ,性交を可能にさせる手術.EDの最終的な治療法である.日本では未承認.F52.2満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか,維持できない状態が持続または再発することをいう.わが国のED患者は1,130万人と試算されている.様々な要因により発症するが,心因性ED,器質性ED,これらの混合である混合性EDに分類される.治療の第一選択はPDE5阻害薬である. 心因性と器質性と混合性 EDの分類●EDには,心理的要因による心因性EDと器質的要因による器質性ED,これらの混合である混合性 加齢が最も重要 EDの危険因子●EDには数多くの危険因子が存在する.●加齢は,最も重要な危険因子である.●肥満・運動不足や喫煙は,患者の行動により除去可能であるため,必要に応じて生活管理を行う.EDがある.れる.心因性ED要に応じて夜間勃起現象(NPT)評価,推定される原因疾患に特異的な検査も行う.内分泌性陰茎性主な危険因子intro.器質性ED神経性血管性疾患にPeyronie病がある.勃起障害(ED)
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