●PGE1海綿体注射*●陰圧式勃起補助具**ともに保険適用外.●PDE5阻害薬●プロステーシス挿入手術(日本では未承認)〔p.350W〕●検査の結果,原因が判明し治療可能であれば,その原因に対する治療を行う.喫煙などの危険因子が存在すれば,そ●PDE5阻害薬を使用するとPDE5が阻害され,平滑筋内のcGMPの分解が抑制される.●cGMPはラセン動脈などの平滑筋を弛緩させ,海綿体洞内への血流を促進させる〔p.345〕.●多くのED患者ではcGMPの産生量が●そのため,PDE5の分解作用がcGMP産生を上回るため,ラセン動脈などの平滑筋が弛緩せず勃起が起こらない.●PDE5はcGMPを分解し勃起を消退させる作用をもつが,正常勃起時には,cGMPの産生量がPDE5の分解作用を上回るため,勃起が持続する.●よってラセン動脈などの平滑筋は弛緩したままになり,海綿体洞内に血液が流入し続け勃起が維持されるようになる.●血管性ED,神経性ED,性的興奮自体勃起障害(ED)●陰圧式勃起補助具:vacuum constriction device ●プロスタグランジンE1(PGE1):prostaglandin E1 ●海綿体注射(ICI):intracavernous injection ●プロステーシス:prosthesis ●陰茎海綿体:corpus cavernosum penis ●平滑筋:smooth muscle ●サイクリックグアノシン3'-5'一リン酸(cGMP):cyclic guanosine 3',5'-monophosphate ●ラセン動脈:helicine arteries●EDの治療は,基本的にはホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬を用いるが,●PDE5阻害薬はED治療の第一選択として,心因性,器質性●血管性EDの検査として保険適用であり,無効な場合は血管性EDを疑い,精査を行う.●日本では治療としての自己注射は保険適用外となっている.cGMP増加cGMPPDE5cGMP分解PDE5阻害薬にはシルデナフィル,タダラフィルなどがありますが,どれも硝酸薬との併用により血圧を危険な域まで下げたり,服用により副作用が出たりする場合があるため,併用は禁忌です.PGE1を陰茎海綿体に直接注射する医師第一選択薬物療法の排除も行う.心因性EDに対してはカウンセリングや心理療法なども行う.血流増加ラセン動脈陰茎がない症例などには無効な場合がある.351 PDE5阻害薬が第一選択 治療のながれ 陰茎海綿体への血液流入を促進・維持する PDE5阻害薬正常な勃起 陰茎にPGE1を注射する PGE1海綿体注射●プロスタグランジンE1(PGE1)は血管拡張作用があり,これを陰茎海綿体に直接注射することで勃起を発現させる.それが無効・禁忌である場合には,次のようなながれで治療法を選択する.無効or禁忌陰茎 海綿体洞少ないという病態が生じている. どの型のEDにも有効 陰圧式勃起補助具●非侵襲的で,EDの約90%に有効なため,他の治療法局所療法無効どちらのEDに対しても投与される.血流減少が無効である場合に用いられる.●日本ではあまり普及していない.陰茎を入れたシリンダーを陰圧にし,勃起させるPDE5阻害薬使用時PDE5阻害cGMP増加PDE5阻害薬手術療法血流増加つけ根をゴムバンドで締めるED
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