≦4個/HPF*≦4個/HPF*HPF:high power fieldの略.顕微鏡において400倍に拡大したときの1視野のこと.≦4個/HPF●白血球≧5個/HPFを認める.●尿路感染症の場合は,白血球の中でも好中球が多くみられ,同時に多数の細菌を認める.加えて白血球円柱を認めた場合,腎盂腎炎〔p.254〕が考えられる.●尿は白濁し(混濁尿),高度の膿尿では,自然放置により沈殿物(フィブリンと白血球)が生じる.●膿尿は,尿細管間質性腎炎〔p.174〕,尿路結石〔p.244〕,尿路感染症〔p.250〕などでみられる.●細菌尿〔次項〕を伴わない膿尿を無菌性膿尿といい,この場合,結核菌やクラミジアなどの感染を考える.1つのコロニーは1菌体に由来するため,コロニーを数えることで検体中の菌体数がわかります.カテーテル尿は,混入する菌が少ないと考えられるため,104CFU/mLでも有意細菌尿としています.≧105CFU/mL(1μLの培養で100コロニー以上)≧104CFU/mL(1μLの培養で10コロニー以上)●尿沈渣:urinary sediment ●膿尿:pyuria ●混濁尿:cloudy urine/turbid urine ●細菌尿:bacteriuria ●コロニー形成単位(CFU):colony forming unit●尿沈渣は,尿10mLを遠心分離することによって得られる沈殿成分のことをいう.●尿沈渣の検査は,尿試験紙法で異常がみられた場合や,診察上,腎・泌尿器●病的結晶としては,シュウ酸カルシウム結晶やシスチン結晶(尿路結石〔p.244〕),チロシンやロイシン結晶(肝障害),ビ●健常な人でも数個の扁平上皮が認められることがある.●肉眼的所見で混濁尿をみることも多く,尿試験紙法〔p.17〕でスクリーニングすることもできる.●正常の尿より多くの細菌が認められることを細菌尿という.●膿尿,細菌尿,尿路感染症状を認めたとき,尿路感染症と診断される.●尿試験紙法や尿沈渣により膿尿が確認されたとき,塗抹標本での各種染色や定量培養検査●定量培養検査は,血液寒天培地などで尿1μLを培養し,得られたコロニー(菌の集落)数赤血球尿沈渣膿尿白血球医師18 尿を遠心分離して沈殿成分をみる 尿沈渣疾患が疑われる場合に行われることが多い.尿沈渣の基準値肉眼的所見正常を行って細菌尿を確認し,さらに原因菌の同定を行う.から尿1mL中の細菌数(CFU/mL)を算出する.有意細菌尿中間尿〔p.16W〕カテーテル尿赤血球白血球円柱なし(少数の硝子円柱をみることもある)結晶尿のpHに依存した尿酸塩,リン酸塩など細菌リルビン結晶(閉塞性黄疸),コレステロール結晶(ネフローゼ症候群〔p.136〕)などがある.認めることを膿尿という.定量培養検査1HPF1HPFSupplement膿尿●尿沈渣で白血球を5個/HPF以上Supplement細菌尿
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