病みえ8-4立ち読み
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●体液pHを一定に保つ.●尿素,クレアチニンなどを体外に排出する.●レニン*産生〔p.64〕 ➡RA系,RAA系〔p.63〕を調節●エリスロポエチン(EPO)産生 ➡赤血球産生を増加させる.●ビタミンD3の活性化 ➡Ca代謝〔p.97〕を調節する.*レニンはホルモンではなく,酵素である〔p.64〕.●臨床的には尿生成に関わる3つの働きを指して腎機能といい,その評価には糸球体濾過量(GFR)〔p.27〕●腎臓:kidney ●恒常性:homeostasis ●酸塩基平衡:acid-base balance ●レニン・アンジオテンシン(RA)系:renin-angiotensin system ●レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系:renin-angiotensin-aldosterone system ●エリスロポエチン(EPO):erythropoietin ●活性型ビタミンD:active vitamin D ●糸球体濾過量(GFR):glomerular filtration rate ●アデノシントリホスファターゼ(ATPase):adenosine triphosphatase ●腎性糖尿:renal glycosuria−+−++−+−酸ATPase 酸塩基平衡の調節〔p.102〕恒常性の維持代謝産物・老廃物の排泄塩基医師監修柴垣 有吾50腎臓の機能電気化学ポテンシャル勾配 〔p.54〕異なる濃度のイオンを含む2つの液面が接したとき,その境界を隔てて存在する「濃度差」と「電位差」の両方がイオンの移動をもたらす駆動力となる.これを電気化学ポテンシャル勾配とよぶ.オーバーフロー性糖尿 〔p.62〕通常ではグルコースは近位尿細管でSGLT2〔病③p.49〕を介して再吸収され,ほとんど尿中には存在しないが,血糖値が200~250mg/dLを超える状態になると再吸収しきれなくなり,尿中に検出されるようになる.この状態をオーバーフロー性糖尿といい,糖尿病患者に認められる糖尿はこの型に属する.腎性糖尿 エンドサイトーシス ATP+H2O→ADP+Pi+エネルギー〔p.54〕ATPの加水分解酵素の総称.Na+/K+ATPaseなどの輸送体は次の式のようにATPを分解するときに放出されるエネルギーを利用してイオンの輸送を行う.〔p.62〕高血糖を伴わずに尿糖を認める状態.腎臓でのグルコース再吸収の低下が原因である.一般的に無症状で,治療は不要とされている.〔p.62〕細胞膜における輸送様式の一つ.細胞外にある物質を細胞膜を陥入させることで細胞内に取りこむ. 体液の恒常性を維持する 腎臓の機能●腎臓は体液の恒常性を保つため,水分・電解質の調節,酸塩基平衡の調節,代謝産物・老廃物の排泄,ホルモン産生・調節という4つの機能を果たしている.このうち,前者の3つは尿生成によって実現される.を用いることが多い.尿生成水分・電解質の調節〔p.78〕●体液の量と組成の調節を 行う.ホルモン産生・調節する.※レニンと活性型ビタミンD3は腎尿細管における電解質輸送に関与する.腎臓は様々な物質の排泄量を調整することにより,体液に含まれる物質の量をバランスよく維持します.この体液の恒常性の維持が腎臓の最も重要な機能であり,その結果として尿が生成されます.Na+腎臓の機能概要

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