●良性発作性頭位めまい症(BPPV):benign paroxysmal positional vertigo●これらの機能に異常が生じると,自分や周囲が実際には動いていないにもかかわらず,あたかも動いているように感じ,その症状はめまいと表現される〔病⑬p.18〕.●このうち狭義のめまいとは,平衡覚から中枢にかけての経路〔次項〕の障害によるものを指す*.●狭義のめまいは,障害部位により末梢性めまいと中枢性めまいに*体性感覚障害では,「めまい」よりも「ふらつき」を主訴に受診することが多い.平衡覚小脳*Frenzel眼鏡を使用したり,自発的な眼球運動を観察したりするなど,固視抑制のない状態で観察する方が望ましい. 医療情報科学研究所 編:病気がみえるvol.13 耳鼻咽喉科.第1版,メディックメディア,2020,p.19より改変医療情報科学研究所 編:病気がみえるvol.13 耳鼻咽喉科.第1版,メディックメディア,2020,p.18より改変306 体のバランス感覚の異常 めまいとは●ヒトは体のバランスを保つために,平衡覚(前庭覚)に加え,視覚,体性感覚(深部感覚〔病⑦p.218〕)からの情報を中枢神経系(特に小脳)で統合し,体の向きや視線を調整している. 狭義のめまい 末梢性めまいと中枢性めまい大別される.末梢性前庭神経系の伝導路〔病⑬p.10〕内耳半規管卵形囊・球形囊(前庭)蝸牛回転性が多い強い数秒〜数日間(反復もある)一方向水平性,水平回旋混合性強い(BPPVなど)あり*あり(Ménière病,聴神経腫瘍など)なし障害部位性状めまい症状の強さ持続時間急速相種類眼振頭位の影響固視による抑制耳鳴・難聴前庭・蝸牛神経以外の神経症状体平衡機能検査平衡覚の経路とめまい入力体の位置,傾き,姿勢などの情報情報の統合・指令大脳,小脳,脳幹,脊髄視覚平衡覚(前庭覚)体性感覚(深部感覚)経路上のどこかが障害めまい中枢前庭神経核前庭神経(橋)失調(開脚歩行,協調運動障害など)中枢出力視線・体の向きを変える外眼筋四肢・体幹の筋中枢性脊髄大脳(側頭葉)眼球運動系の核非回転性が多い弱い障害部位により様々弱いなしまれありへんい偏倚(足踏み検査で回転するなど)めまいの考え方
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