●前下小脳動脈(AICA):anterior inferior cerebellar artery●垂直性眼振例中枢性●視標を注視させたときに起こる眼振を観察する注視眼振検査,Frenzel眼鏡を用いて非注視下で観察する検査がある〔診①p.221,病⑬p.45〕.上下左右それぞれ30°以内で注視●徒手で被検者の頭部を左右へすばやく回転させて前庭眼反射を生じさせ,半規管機能を調べる検査〔病⑬p.51〕.視標(検者の鼻)を注視させる●一側の眼球が内下方へ,他側の眼球が外上方へ偏倚する(斜偏倚).●注視方向交代性眼振例めまい●眼球運動は起こらない(正常).●定方向性の水平眼振例●患側方向への施行時に眼位が視標からずれ,直後に視標をとらえるため一瞬間を置いた急速眼球運動がみられる*3.急速眼球運動末梢性*2*1前下小脳動脈(AICA)領域の梗塞では異常となることがある.そのため,難聴を呈するが突発性難聴とMénière病が否定*2HINTS法の末梢性めまいにはBPPVは含まれていないことに注意する.*3末梢性であっても軽症の場合は,正常の前庭眼反射(中枢性パターン)に見えてしまうことに注意.313●❶Head Impulse Test試験内容※正面に回転させる方法もある.●前庭眼反射が働き,視標への注視が保たれる(正常*1).目線が視標からずれる的な場合は,HINTS plusとして難聴を評価する. Advanced Study HINTS法●主として救急の現場において,数時間以上持続する急性発症のめまいに遭遇した場合,中枢性と末梢性(特に前庭神経炎)を鑑別する方法としてHヒンツ●次の❶〜❸のうち中枢性めまいの所見が1つもなければ,中枢性めまいの可能性は低いとされる.INTS法が使用される.●❷Nystagmus(眼振)前庭眼反射※固視により眼振が抑制されるため,Frenzel眼鏡を使用することが望ましい. 所見例ヘッド インパルス約20°回転ニスタグムス眼球の動きをみるのは,難易度が高いです.垂直成分(↑,↓)のある眼振は,中枢性を疑うと覚えておきましょう.●❸Test of Skew deviation(斜偏倚)●検者の鼻を注視してもらいつつ,左右の目を交互に隠すことで,眼球運動が誘発されるかを観察する.※上に示すような特徴的な眼球運動でなくとも,垂直方向の眼球運動がみられた場合には中枢性を疑う.内下方へ外上方へ正常スキュー ディヴィエイション しゃへんい
元のページ ../index.html#13