診でき2
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●大動脈弁閉鎖不全〔症〕/大動脈弁逆流〔症〕(AR):aortic〔valve〕regurgitation ●経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2):saturation of percutaneous oxygen ●三尖弁閉鎖不全〔症〕/三尖弁逆流〔症〕(TR):tricuspid〔valve〕regurgitation➡ 肺血栓塞栓症,(緊張性)気胸,肺炎, ●輸液(細胞外液),採血の準備を行う.●心エコー,12誘導心電図の準備を●呼吸状態が悪い場合,気道確保物品の準備を行い,ポータブル胸部X線を施行する準備を行う.●初期評価で左記に該当する場合,速●年齢,性別●バイタルサイン:意識レベル,BP,HR,SpO2,RR,BT●ごく簡単な病歴・観察結果:胸痛の持続時間●病院前12誘導心電図●既往歴●急性大動脈解離,急性心筋梗塞では血圧低値・高値がありうるが,低値の場合は特に緊急度が高い.●緊張性気胸を強く疑う場合,X線を待たずに穿刺脱気〔病④p.301〕を行う.●大動脈瘤破裂の場合,ほぼ全例心停●問診・身体診察と並行して静脈路確保,心エコー,12誘導心電図を行う.●動脈血液ガスの評価も忘れずに行●冠危険因子〔p.51〕の有無 ➡急性冠症候群 ●悪性腫瘍,深部静脈血栓症,最近の手術や外傷の既往 ●頻回嘔吐後 ●冷汗 ●頸静脈怒張 ●心エコー実施時は壁運動の評価に加え,急性大動脈解離に伴うAR(大動脈弁逆流),心囊液貯留の評価も行う.また,肺血栓塞栓症のスクリーニングとして,右心負荷所見(D-shapeの有無,TR〔三尖弁逆流〕)の評価も同時に行う.●血圧左右差 ➡急性大動脈解離●呼吸音減弱/消失 ➡(緊張性)気胸胸痛●臥位での胸部X線は気胸の診断精度が低下する(deep sulcus signは1つの補助).➡気胸を疑った場合,座位または●トロポニンの評価は慎重に行う(腎機能障害で上昇,ACS発症早期は陰性).●ACSは病歴,12誘導心電図,心エコー所見を重視するが,造影CTでも心筋の造影不良域を認めることがある.確認情報来院前初期評価問診・身体診察診断/除外のための検査来院後523 救急患者の受入から検査まで 胸痛の初期対応のながれBの異常Cの異常Eの異常病歴・症状身体所見SpO2低下,頻呼吸 ➡ 右室梗塞,緊張性気胸, 12誘導心電図心エコー胸部X線単純CT造影CT(必要時)採血の結果と合わせ,上記以外の疾患を鑑別する.●Dダイマー陰性であれば肺血栓塞栓症,急性大動脈解離の可能性は低い.●特異的な所見がない場合,肋骨骨折などの可能性も考慮する.●:高い確率で診断可能 ●:他の検査所見もふまえて総合的に判断 ●:スクリーニングまたは疑い診断※ここでは検査の手順を便宜的に1つのながれとして図示したが,実際には並行したり,状況により順番が前後したりする.※各々の検査において,「所見なし・●:スクリーニングまたは疑い診断」の場合は基本的には次の検査に進む.「●:高い確率で診断可能」であっても,場合によっては追加の検査が必要なことがあり,実際の状況に応じて使い分ける.心不全(急性冠症候群)血圧低値 ➡ 緊張性気胸, 肺血栓塞栓症(閉塞性ショック), 急性冠症候群(心原性ショック)発熱あり ➡感染性疾患(肺炎,胸膜炎,急性胆囊炎など)➡肺血栓塞栓症➡特発性食道破裂 ➡急性冠症候群,急性大動脈解離,緊張性気胸心タンポナーデ,肺血栓塞栓症所見あり●急性冠症候群●急性大動脈解離 ●肺血栓塞栓症所見あり●自然気胸 ●胸膜炎●急性大動脈解離●急性大動脈解離●肺血栓塞栓症所見あり●特発性食道破裂行う.やかに静脈路確保を行う.止で搬送される.う.立位での撮影を行う.

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