1分で理解!●腹痛の鑑別の中心は,発症1週間以内の急性腹症であり,手術などの緊急処置の必要性を判断する必要がある.●生殖年齢の女性を見たら妊娠・産婦人科疾患を疑うべきである. ●腹痛の原因は腹部疾患だけではない.急性冠症候群などの心血管疾患を見逃せば,死に至るおそれがある.異常安定化対応●OPQRST(突然発症か,腹痛の部位など)●手術歴,既往歴●食事との関連●嗜好歴,生活習慣●悪心・嘔吐,下痢,便秘 ●発熱●便の性状,尿の性状●月経周期,性器出血 ●頭部診察(眼瞼結膜蒼白,眼球結膜黄染)●胸部診察(心音,心雑音)●腹部診察(特に腹膜刺激徴候) 腹痛の鑑別急性腹症〔p.16〕明確な定義は存在しないが,1週間以内に発症した腹痛を主徴とし,緊急手術を含む迅速な対応を要する疾患群を指すことが多い.1616監修山中 克郎※ここでは診察の手順を便宜的に1つのながれとして図示したが,実際には並行したり,状況により順番が前後したりする.また,疾患ごとの診察のながれについては『主要疾患』章〔p.397〜〕を参照のこと.バイタルサイン,意識を確認産婦人科疾患(女性),心血管疾患を考える手術を含む緊急処置の適応を判断精査・治療方針,入院適応を決定「お腹が痛い」問診〔p.29〜30〕身体診察〔p.31〜34〕腹痛の原因を鑑別腹部疾患を考えるその他の原因を考えるなどなど緊急手術が必要な疾患・病態に注意しながら,診察スタート!異常がある場合〔p.520〕意識障害,頻脈,血圧低下●心血管疾患●大量出血(異所性妊娠,肝細胞癌破裂など)●敗血症●消化管穿孔●腸管虚血多くの腹部疾患がエコーによりスクリーニング可能である.腹部造影CT施行前には,妊娠可能性,喘息・造影剤アレルギーの既往,腎機能などを確認する.Overview腹痛:abdominal pain腹痛
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