診でき2
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●2種類の優劣を示す明確なエビデンスはないため,患者の状況や施設のルールに合わせて順序を選択する.●翼状針を用いる場合は,凝固や赤沈の前に生化学の採血管を押し込むとよい.これにより翼状針のチューブ内の空気による血液量の減少や穿刺時の組織液が凝固の採血管に混入するリスクを減らせる.また生化学の採血管に抗凝固剤が混入するリスクも減らせる.●直針を用いる場合には,まず凝固,赤沈の採血管に採取し,その次に生化学の採血管に採取してもよい.これにより量の正確性が求められる凝固,赤沈の採血管に十分な血液量を確保できる,凝固系の採血管への血清分離剤の混入を防げるなどのメリットがある.●抜針の際も患者は痛みを感じるので,事前に伝えてから抜針する.●抜針後は,刺入部をアルコール綿や滅菌ガーゼで圧迫する.患者に圧迫してもらってもよいが,刺入部を動かすと血腫査❷❸●血液型など●血糖値測定●直ちに転倒混和し,凝固させない.●血液像●血球計算●アンモニア●β-Dグルカンなど●直ちに転倒混和し,凝固させない.●赤血球沈降●直ちに転倒混和し,凝固させない.●凝固機能検●激しく混和すると溶血するので注意する.●生化学検査●内分泌検査●薬物血中濃度静脈採血●抜針後はすぐに穿刺部位をアルコール綿で圧迫する.●抜針する前に駆血帯を外す.●駆血帯を巻いた状態では血液がうっ滞している.593 2通りの方法がある 真空管採血時の採血管を押しこむ順番●真空管採血で複数の採血管に血液を採取する場合,『標準採血法ガイドラインGP4-A3』では次の2種類の順番が推奨されている(シリンジ採血の分注の順番はp.598を参照). 駆血帯を外してから行う 抜針,止血●必ず駆血帯を外してから抜針する.駆血帯を外さずに抜針すると,うっ滞した血液が刺入部から噴出する翼状針を用いる場合●❶ 生化学(血清分離剤入り)●❷ 凝固(クエン酸Na入り)血液と抗凝固剤(クエン酸Na)の比が重要であるため,血液量を正確に採取する必要がある(少ない量で終わらせたり,空気が混じったりしないようにする).直針を用いる場合可能性がある.ができる可能性があるので,もまないように伝えておく.❶真空管●❻ 血糖(解糖阻害剤入り)●❼その他共通●❸ 赤沈(クエン酸Na入り)●❹ その他(ヘパリン入り)速度●❺ 血球検査(EDTA入り)など

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